2007-01-01から1年間の記事一覧

情けは人のためならず

前も少し書いたが、「情けは人のためならず」ということわざは、「情けをかければゆくゆくは自分にはね返ってくる」と繰り返し「解説」されきたにも関わらず、「情けは人のためにはならない」という「誤解」が一向に止むことがない。私自身も、ある時期まで…

若年弱者問題

「ひきこもり」「ニート」「フリーター」とか、若年の不安定低賃金・無業層(若年弱者)が問題になったのは、おそらく2000年ぐらいからではないかと思う。この問題に興味を持ってきた人であれば、議論がだいたい三段階くらいで進んできたことが理解できると…

既得権

「既得権」という言葉がニュースを賑わすようになったのは、90年代後半くらいだろうか。「改革」を連呼する政治家や経済学者が、敵対的な政治家や成果の悪い官僚組織や企業経営者を「既得権にしがみついている」という名の下に一刀両断し、政治家は誰もかも…

「苦労」を語るな

昨日の話と若干つながるが、最近「フリーター」などの不安定低賃金層の問題に関する話題で、ところどころ「反動」が起こりつつあるような気がするのが気がかりである。要するに、「彼らはそんなに苦労しているのか?どこまでマジメに就職活動をやってきたの…

石原都知事の詭弁

地方の東京の格差の話題ばかりで恐縮だが、石原慎太郎都知事が聞き捨てならないことを言っていたので。http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/tomin.htm石原都知事は「東京都は昼間人口370万人のためにインフラを整備・維持している」と力を込めているが、…

コンビニ業界はひどすぎる

コンビニ不都合な真実http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8B%E4%B8%8D%E9%83%BD%E5%90%88%E3%81%AA%E7%9C%9F%E5%AE%9F%E2%80%95%E7%AC%91%E3%81%86FC%E6%9C%AC%E9%83%A8%E3%80%81%E6%B3%A3%E3%81%8F%E5%8A%A0%E7%9B%9F%E5%BA%97%E3%…

中央集権と地方自治

地方税論議 遠い収束http://www.asahi.com/business/update/1116/TKY200711160033.html 前も書いたことがあるけれど、やはり元凶は地方の風景が首都圏に本社をもつ企業、工場、大型SC、ファミレス、コンビニだらけになっていることにあるのだと思う。税制…

小沢一郎と小泉純一郎

「大連立」の騒動で、小沢一郎が「国民を置き去りにした密室政治」と批判されている。もちろん仕方のないところもあるが、これだけ批判が多いと(そもそも福田首相にも同程度の批判があるべきなのだが・・・)、小沢のために一言弁護したくもなってくる。私…

気配り政治の終焉?

夏休み明けの始業日に校門前まで来て帰ってしまういじめられっ子のごとく、国会開会前にビビッて逃げた言われても仕方のない安倍前首相だが、その前になんであそこまで追い詰められてしまったのかを考えてみる必要がある。もともと安倍は「タカ派」の代表格…

家族だんらん法案

「残業代出なかったら、さっさと帰る」舛添厚労相が持論http://www.asahi.com/politics/update/0911/TKY200709110426.html?ref=gooこれは「失言」だと思うが、舛添大臣の頭の中に「無能な人間」「やる気のない人間」の存在を全く想定していないのは、やはり…

首都圏と地方の格差

『アエラ』を読んでいたら姜尚中が先の参院選の自民党大敗を、地方が切り捨てられることに対する「草の根保守の反乱」と要約していた。これは自民党中枢の人たちもそう思っているようなのだが、おそらく正しくないと思う。そうであれば地方の衰退などまるで…

自己責任論

「自己責任論」再浮上 韓国政府、拉致被害者らに費用請求検討http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070831-00000904-san-intかつて日本でも散々話題になったが、これは一体全体「自己責任」なのか。実は日本では、あまり議論が詰められることなく終わってし…

最近の中国批判

最近中国が何かと話題である。食品安全、環境汚染、私的財産権、ナショナリズム・・・・。「北京五輪があと一年」に関する報道でも、期待や希望よりも問題点を取り上げるのがほとんどであった。中国に対する批判的な論調は、もちろん仕方のないところもあるが、…

成長と平等

前回のエントリー読み返してみたら、色々指摘していただいている通り、論理が結構めちゃくちゃだったのでもう一回整理します。ここで言う「成長」というのは、あくまで自民党の執行部が言っているように、企業の体力を高めることで「景気回復」による税収の…

「成長」はあきらめよう

参議院選挙で自民党が大惨敗した。年金記録問題や農水相の事務所費問題という、実のところあまり議論するような中身がない問題が選挙の焦点になってしまい、自民党の「成長路線」に対する是非に関する議論がその影にかくれてしまったのが残念だった。自民党…

なぜ年金未納が多いのか

自民党のぼろ負けが確実視される参議院選挙に向けて、年金問題が焦点になっている。相変わらず与党は野党の攻撃に対して「財源は何処に?」と開き直って、「景気回復で対応」などと世迷いごとを繰り返してる。年金改革の中身云々以前に、この段階で与党の言…

労働と年金問題

・NHK「日本の、これから」先日NHKで労働・雇用問題に関する討論番組があった。会場の意見が結構半々なのに、視聴者の投票では圧倒的に差がついたのが印象的だった。いろいろややこしいことを言っているが、要するに結論は二つだ。(1)フリーターを含…

法律違反

コムスンの「悪行」がいろいろ暴露されるようになっている。堀江貴文も村上世彰もそうだったが、それまでむしろ高く評価さえされていた人物や企業が、「法律違反」が明らかになった途端に空気が一変し、擁護する人もなく「悪者」としてバッシングされるとい…

男女共同参画

「個別のテーマが、若年低賃金層にとってどのような意味を持っているのかという具体的な分析に議論を向けていくべき」だと先に書いたが、例えば「男女共同参画」について。「男女共同参画」に賛成する層としては、基本的に女性が期待されている。少なくとも…

その後の「希望は、戦争」

昨年の12月にはじめて言及した赤木智弘が、その後話題になって、いろいろな場所で盛んに取り上げられるようになっている。朝日新聞の論説委員や東大教授(いわば赤木の打倒対象である人々)、さらには公共放送(!)なども、彼を取り上げて「右傾化」や「格…

社会保険庁とコムスン

社会保険庁とコムスンの問題について。両者とも高齢者の生活に直結する「不祥事」なのだが、その性格は対称的である。社会保険庁の不祥事はわかりやすい。最終的に解決できるかどうかどうかはともかく、「年金記録を明らかにする」という目標ははっきりして…

大増税時代は宿命である

また昨日の書き直し。またこういうことをやっていると信用されなくなかもしれないが、納得できなかったので・・・・。10数年前は「大増税時代は避けられない」という人が結構いたように思う。経済の素人である私も「高齢社会化するし、仕方ないのかな」と漠然と…

「上昇志向」を拒絶する日本

書き直し。日本青少年研究所というところで、日本とアメリカ、韓国、中国の高校生を対象にした、職業意識や進路などに関する意識調査が行なわれていた。http://www1.odn.ne.jp/youth-study/index.htm個人的には余りアンケート調査のたぐいは信用していないし…

NHKスペシャル

NHKスペシャルの「高速ツアーバス」のドキュメンタリーを観たが、さすがNHKのドキュメンタリは―すごい。公共放送の必要性を強く感じるのは、こうした手間隙がかかる番組は民放ではとてもつくれない(実際作っていないどころか、議員や官僚(ときどき「…

「左翼」が支持されない理由

最近、「フリーター」などの若者弱者が自民党に投票したり、女性が「男女共同参画」を訴える浅野史郎ではなく、女性蔑視発言をしばしば行なう石原慎太郎に投票したりという奇妙な現象が起こっている。多くの人々は当惑しながら「右傾化」のレッテルを貼って…

ロスト・ジェネレーション

昨日の続きみたいな話。だいたい1970年代を生まれを指している「団塊ジュニア」世代は、最近「ロスト・ジェネレーション」などと呼ばれている。こういう物の言い方に現れるように、最近この世代がかなりネガティブに評価されるようになっている。この世代は…

自殺について

周知のように日本は自殺が多い国であり、1998年以来年間3万人を超え続けている。自殺が社会現象となる原因は、エミール・デュルケームの『自殺論』以来、経済的な好況や不況が自殺の増減に必ずしも影響しないことは散々指摘されてきたにも関わらず、どうも相…

ホームレスが「減っている」?

ホームレス、4年前に比べ26%減少 厚労省統計http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070407-00000018-san-sociこういう記事を読んで、ホームレスが減っていると本当に思ってしまう人が多いのが心配である。私も実感として、いわゆる昔ながらのホームレスが…

石原慎太郎と浅野史郎

石原慎太郎が東京都知事選で大勝したが、私はその要因はあの郵政解散選挙とそんなに構造は変わっていないと思う。例えば石原慎太郎と浅野史郎のどちらかが「破壊的」な考えと行動力の持ち主か。言うまでもなく前者である。浅野が予想以上に惨敗した理由はい…

「機会の平等」は正しいか

「機会の平等」の正当性について若干の考察。いま、少なくともマスコミのレベルでは「機会の平等」を疑う言説はまったく出てこない。私も機会の平等という原理がまったくの間違いだと考えているわけではないが、その問題点があまりに語られなさ過ぎる現状は…