2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

高級志向

最近日本社会のなかに「高級志向」が復活しつつあるように思われる。これは日本だけじゃなく、韓国や中国でも同じ現象が見られるようである。90年代半ばには、バブル時代の記憶もあって高級志向はほとんど軽蔑の対象であった。それはとりもなおさず、不況で…

まともな生活

秋葉原連続殺傷事件に関して、派遣労働や格差社会の問題と短絡すべきではないという「正論」を時々見かける。しかし私を含めて、この事件をめぐって現代日本の問題の縮図を投影せずにはいられなかった人々を膨大に生み出した事実は、それ自体極めて重要な「…

秋葉原事件の社会背景まとめ

断っておくと、私は今回の事件を「起こるべくして起こった」としたり顔で言う人にはあまり賛成しない。eventが「事件」と「偶然」の両方に訳されるように、「必然的な事件」など語義矛盾である。われわれができるのは、起こった事件を手掛かりにしてその社会…

究極の弱者

加藤容疑者に関する報道を見るにつけ、彼は現代社会における究極の「弱者」であったのではないか、という感を拭えない。従来弱者というと女性、外国人、身体障害者、あるいは何らかの出自で差別を受けている人々であった。こういう人々が社会的な困難に直面…

学校の秀才から下層労働者へ

今回の秋葉原の事件では、「格差社会」(時折「オタク」)がキーワードになっていることが多いが、むしろ私は加藤容疑者が地方の伝統進学校出身であったという点に注目したい。一昔前であれば、「名門の○○高出身」というだけで(特に田舎では)将来が困るこ…

生存と差別

再び書くが、私は「格差社会」の根本の問題は「生存」ではなく「差別」であるべきだと思っている。特に30歳を超えた「フリーター」とよばれる人々が悲惨なのは、生活が大変だということもそうだが、アルバイトでしか生計を立てていないことがイコール「社会…

オバマの支持層

ちょっと古いけどなかなか面白いデータが。日本でもやってほしいものだが・・・。http://ameblo.jp/itsanyclife/entry-10071114603.htmlこれによると、オバマの支持層の全体像は「若い世代のニューリッチ、伝統的価値観や宗教は好きじゃない、福祉と富の再配…