2005-01-01から1年間の記事一覧

最近講談社から中国史シリーズが出版されて、最近完結したばかりである。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062740605/qid=1135776168/sr=1-10/ref=sr_1_10_10/250-7701493-6112213全部は読んでいないし、また読みきる自信もないのだが、専門研究の…

構造的な問題

耐震強度偽造問題でよく「構造的な問題」と言われるが、あくまで総研を頂点とする「構造」で、「民間化の弊害」という当たり前のことを指摘する人が意外に少ない。「検査機関は天下りじゃないか!」などと非難する声のほうが多いくらいである。天下りと今回…

少子化の原因について

少子化の原因について素人なりに考えてみたので、忘れないうちに書いておきたい。日本では少子化と「非婚化・晩婚化」は密接に関係しているらしいので、とりあえず一緒の問題ということにしておきたい。(1) 生活の必要性がなくなった こういう当たり前のこと…

過当競争社会

耐震強度偽造問題の証人喚問があった。この問題の背景に過当競争があることは明らかである。当事者は全員心の中でこう思っているはずである。「批判している奴は競争社会の現実の厳しさをしらないくせに!」と。健全に市場を運営する為には、市場に対する参…

醒めた中国論と真面目な中国論

http://takahara.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/200611210_67ac.html中国関係でこのブログは面白い。前にもちょっと批判的に言及したことがある。ただ東アジアの「反日」ナショナリズムを「民主主義の機能不全への不満と諦念」でまとめるのは「なんじゃそ…

少子化問題

最近少子化問題について考えたので、まとめてみます。最近の大きな流れは、「働く女性に対する支援をすることが少子化問題を解決する」ということらしい。これは、そもそも「働く女性」を嫌う一部の保守派や、この論理に実証的に疑問をもつ少数の専門家を除…

続・耐震強度偽造問題と責任

「民間に任せればいい」というのが、この10年政治経済を論じるマスコミ界の常套句だった。「民間に任せれば・・・」という人は、官僚がいかに仕事が遅く、既得権益を組織で防衛し、税金をムダに食いつぶしているかを批判する。最近この批判の口吻がますます激し…

耐震強度偽造問題における責任

姉歯という建築士による耐震強度偽造が深刻な問題になっている。もちろん姉歯建築士の偽造が元々の問題なのだが、検査会社、建築会社の専門家が耐震強度という基本的な問題に「気づかなかった」と弁明しているのはもっと問題である。本当に気づかなかったと…

めぞん一刻

またまた唐突だが、最近『めぞん一刻』にはまっている。もともとあまり漫画は読んでないし、ステレオタイプ化されたイメージがあったのでこの名作を食わず嫌いで読んでこなかったのが、いざ読んでみるとこれがなかなか凄い。高橋留美子はSFギャグが専門で、…

秩序はいかにして可能か

唐突だが「秩序」というものについて考えてみたい。 秩序が存在しているとは何か、というのは非常に難しいが、ここでは常識的に「不特定多数の他人が自分に物理的、精神的に害を及ぼさないことがそれなりに予期可能な状態」と簡単に定義しておくことにしよう…

新人議員の失言について

ある自民党の新人議員の軽率な発言が問題になっているようだ。私は何か専門分野がある人なのかと思ってネットで調べてみたら、なんと正真正銘のズブズブの素人だった。ブログにスポーツと環境問題について論じていたが、「環境社会学」みたいな講義に出てい…

総選挙から一週間

小泉自民党が大勝した総選挙から一週間が経った。解散総選挙が決まった直後は、正直言って「小泉も終わったな」と思っていた。どう考えても解散総選挙という、それ自体莫大な税金を使い、政治的な空白を作る行為を、郵政民営化というほとんどの国民にとって…

悪口、皮肉、茶化しでつながる日本人

最近の『論座』は読ませる文章が多くなったが、特に東浩紀「「嫌韓流」の自己満足」に完全に同意した。東氏も「嫌韓流」という漫画もよく知らないのだが、私の感じていた気分をものの見事に表現してくれた感じがする。前にも書いたが、近年における中国や韓…

シニシズム選挙

また選挙の話題。小泉首相の言っていることは、「何で民間じゃだめなんですか?まったく理解できない」だけだである。これよりも深いことは何も言っていないと言っても過言じゃない。これは今回出馬した堀江社長の「何が悪いんですか」の物言いに酷似してい…

市場原理だから悪くない?

最近「それが市場原理なんだから悪くない」という言い方が多い。しかしこれは間違いだと思っている。市場原理はあくまで必要性から存在している。それは、規模が大きな現代の資本主義社会では経済が具体的な二者関係の集積からだけでは成立することだけでき…

中国の誤解など解く必要はない

今日サンデープロジェクトをたまたま観ていたら、中国人学者と田原総一朗、岡本行夫さんが討論していた。観ていてうんざりした。田原たちは中国人の日本に対する誤解を解かなくては、と真剣に思っているらしいがムダである。「中国の人たちが危険視している…

小泉首相の解散総選挙が支持される背景

どうして小泉は支持されるのか?小泉内閣が支持率をあげている。堀江社長も出馬するという。飲み屋で酔っ払いながら語るような政治が現実になっている。正直、私はあきれ果ててうんざりし、政治に失望している。普通に考えれば今回の解散総選挙自体がめちゃ…

郵政解散

今日はいわゆる郵政解散について。私は小泉首相そものより、少なくない国民が首相の行動に賛成していることに危機感を感じる。大体常識の範囲の話だが、改革と言うのは誰にでもわかるような明白な問題点が存在するか、このまま放置すると危機的状況に陥るこ…

中国のナショナリズムと反日デモ

この前は従来の議論の批判だったので、今度は原因について。 実証できるようなものではなく、あくまでこういうことじゃないかということを書きます。(1)歴史観の問題これを理由に挙げる人は意外に多くないが、やはり中国史とナショナリズムの関係を語る際に…

明徳義塾が出場辞退

今度は高校野球について。明徳義塾が辞退を発表した。前代未聞である。明徳は「野球留学校」の強豪であり、毎年当たり前のように予選を勝ち上がり、甲子園でも1,2回戦を適当に勝つ程度で、野球にもあまり華がないので高校野球ファンにはそれほど人気がな…

靖国問題・2

たまには日記を書きます。前に靖国問題について少し触れたが、参拝は絶対にしないほうがいいに決まっている。第一に、「靖国に参拝しなければならない」という強い世論とは言わなくても、暗黙裡の信仰というか感情が日本人に共有されているとはとても思えな…

「どうして反日デモが起こったのか」再考

もう3ヶ月以上たってしまったが、議論が収束する前にノートとしてまとめておきます。まず従来よく言われている原因の間違いから。(1)江沢民時代からの「反日教育」のせい? 共産党は共産主義イデオロギーにかわる正統性を調達する道具として、「反日愛国」…

補足

ちょっと補足をしておくと、数は多くないが、「中国は靖国問題や閣僚の『妄言』で傷ついている」という中国人の主張に同調し、責任はことごとく過去を直視しない日本人の側ににあるという人もいる。また日本のメディアの中国報道の「偏向」を批判し、大多数…

靖国問題

日本で靖国に行くべき/行くべきではないという議論が盛んであるが、どっちにしても優勢なのは冷めた現実主義である。『文藝春秋』で中国人学者と激論を交わしていた桜井よし子や田久保忠衛は、靖国に行くべき「正義」を真正面から主張する点でむしろ例外で…

中国に関心をもつ日本人、日本に無関心の中国人

その昔は、日本人は中国人に比べて過去の歴史を知らない、という報道がよくあった。当時高校生だった私でもその嘘はいっぺんでわかった。中国人に対しては学校で真面目そうな生徒にインタビューしているのに、日本人に対しては渋谷かなんかのいかにも遊んで…

中国の反日デモの原因をめぐって、あちこちの雑誌で意見が載っている。その中で、『中央公論』で高原基彰、『世界』で園田茂人といった社会学者が、若者の間の「不確定性」や「アノミー」にその原因を求めている。巷に溢れる文章よりは全然面白いが、どうも…

日記をはじめました。 思いついたことをノート風に記していこうと思います。 よろしくお願いします。