2009-01-01から1年間の記事一覧

市場・セーフティネット・規制強化

国の役割に否定的だと考えられる米国でも、70%の人が貧しい人たちの面倒を見るのは国の責務だと考えている。多くの国では、市場経済と国の両方を信頼している。つまり、市場経済によって国全体の豊かさを増し、市場競争から貧困者が生まれれば、その面倒を見…

議論について

なぜ日本人は議論ができないのか ・・・・・・・・・・・・以上のような理由で、議論ではなく事前の打ち合わせで事を穏便に済ませようという気分になるのだと思われる。大きく分けると「論理が優先されず、気持ちが大切である」という点と「共感のなさ」だ。共感という言…

負担の社会化

今の日本で起こっている問題の大半は、「財源がない」という非常にシンプルな問題に由来している。どういう手段でもいいから、税金を上げなければいけない。これは、非常にはっきりしている。GDPに対する税収比較だと、世界のなかで例外的に強い個人主義志向…

パイを増やす

前回の続きというか繰り返し。よく「パイを増やさなければ」という表現が出てくる。もちろんパイは大きいほど大きいほうがいいに違いはないのだけれど、少し考えればこれはかなり怪しげな考え方である。第一に、パイを公平に再配分する仕組みが整ってなけれ…

経済成長は処方箋ではない

まだこんなことを言っている人がいるのかと、さすがにびっくりした。 すると格差と雇用の問題への対応には3つの選択肢しかないことがわかる. (1)だれからも奪わないしだれも救わない (2)だれかから奪ってだれかを救う そして, (3)経済成長 この3つ. 僕…

ポピュリズムの時代

大阪府の橋下知事の支持率が84%らしいが、支持率が好感度調査のようなものとは言っても、これはさすがに驚いた、というか暗澹たる気分になった。この橋下府知事に代表されるように、日本の民主主義がかなり機能不全になっているように思われる。民主主義の…

この変わらなさに唖然

竹中 「派遣は増えたが正規雇用は殆ど変わらず労働者の権利が守られない「請負」が減った。2004年、2005年は派遣に変えなかった。偽装請負の批判が出て、派遣が始まった。 日本の司法が誤った解釈をした。政府は正規と非正規が平等になるように改革すべきだ…

新自由主義はなぜ支持されたのか

特に「派遣切り」の問題以降、2000年代の「小泉改革」が「新自由主義」「市場原理主義」などとして厳しく批判されるようになっているが(その一方でその中心メンバーたちの社会的地位は基本的に安泰のままなのだが)、そこまで「間違った」政策が大きく批判…

「派遣切り」と正社員層

前回は感情に任せてほとんど書きなぐりで、なぜかブックマークも急に増えたので、言いたいことを整理。ネット上の匿名言論とはいえ、その中でもYahoo!という最も公共性の高い(つまり学校でネットを習った人が最初に指定されるような)ポータルサイトで、「…

yahoo!ニュースのコメント欄がひどい

ネット上のヘイトスピーチというと「2ちゃんねる」が有名だが、あきらかにそれ以上にひどいところがある。それはyahoo!ニュースのコメント欄だ。この欄のコメントの偏見の凄まじさにはときどきびっくりさせられる。例えば先日の総務省の坂本政務官の「派遣…

国家を家族として考えるべき

国家は家族のようなものである、というと誤解する人が多いだろうが、これはいたってまじめである。この喩えは「国家は企業のようなもの」という、より流通しているモデルを批判するために用いている。(1)企業モデル国家 国家が企業のようなものであるとい…