労働規制緩和論者が鬼の首を取ったようにモリタク氏を批判しているようだが、

http://mojix.org/2009/10/04/jakusha_dashi_business
http://blog.goo.ne.jp/jyoshige/e/a2ff26e6e8eccf5cd7160275f82aeea7

一見真っ当な批判のようにも見えるが、濱口先生の文章で目が鱗。

さらに、拙著でも一項目当てて解説したように、デンマーク型フレクシキュリティとはマクロレベルの労使合意でもって政策を作り動かしていくというコーポラティズムの極地ともいうべきシステムを前提としており、フレクシキュリティという言葉を労使決定システム抜きに語ること自体が詐欺師的行為というべきなのですが、そういう真に批判すべき点がすっぽり抜け落ちてしまいます。

経済財政諮問会議や規制改革会議から労働者の代表を排除し、「ソーシャル」な政策を憎悪し続けた竹中平蔵氏にデンマークモデルを口にする資格があるのか、というのが真に問うべき彼の罪であって、そこのところを見逃すような責め方は、一見全否定でかっこよさげに見えますが、実は竹中氏の真の罪を免責するものと言うべきでしょう。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/

経済財政諮問会議や規制改革会議から労働者の代表を排除」というところが重要で、そもそも労働組合を敵視あるいは軽視する人たちに、「フレクシキュリティ」を語る資格などないのである。産業民主主義の弱いところで、フレクシキュリティをやることは確かに弊害のほうが大きいだろう。

そもそも「弱者をダシに儲けている」みたいな批判は、左派に対する古典的な批判で、当たっている面は確かにあるが、「またか」という感じも否めない。そもそも、「弱者をダシに儲ける」人がいてもいいと思うし、それで実際に弱者が救われるような筋道を考えるのが、経済の専門家の仕事であるような気もするのだが。