雑記

全然頭がまとまらないのですが、リハビリ的なものとして、まとまらないまま、たまには何か書きます。

デイトレーダーはバカで浮気で無責任

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_6c4f.html
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_fee4.html


どうなんだろうか、通産官僚ということと、表現方法を抜きにすれば、「至極真っ当」なことしか言ってないようにも見えるが・・・。なぜ「真面目に働いている人たち」は、自分たちの給料が会社の運営や存続に何の関心もないデイトレーダーに億単位の金が渡っているのを怒らないで、客観的には権利を守っている側の、せいぜい年収600万程度の公務員を叩くのか、その心性がいまだによくわかっていない。個人的にはデイトレーダーが悪いとは必ずしも思わないが、いろんな問題に神経質に怒る人たちが、彼らに非難の目を向けないは不思議としか言いようがない。そんなこと言うと、「経済学を知らない」とか言われそうだけど、じゃあ経済学のほうが間違っている(少なくとも欠陥が多い)のではないかと普通に考えるべきだと思うのだが・・・。

橋下大阪知事 都庁訪れ「石原都知事はすごい人」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080209-00000009-maip-pol

大阪府知事戦には、今まで全然興味なかったのだけど、ニュースなどを聞くと要するに「既得権を壊す」「無駄な財政支出を減らす」「民間に任せる」「役人は苦労しろ」というわけで、90年代以降の「改革」と言われて、小泉政権で「体制化」してきた考え方のオンパレードである。一見ラディカルに見えるかもしれないが、要するに政治家を目指そうとする素人が最も考え付きやすく、また財界や国民からの反発もほとんど受けることがない政策である。私に言わせれば、橋下知事は「世の中の『改革』の流れを真面目に信じる優等生政治家」以上のものではない。

橋下知事の改革を進めると帰趨は誰の目にも明らかで、大阪の公共機関が次々に東京の企業や海外の投資家に買収され、また「そんなに苦労するなら大阪はもういい」と、バイタリティのある若者ほど大阪を見捨てるだけだと思う。それならそれで、そういう覚悟の下に府政の将来像を設計していけばいいとも思うが、本当にそんな覚悟をしているのかどうか。「ポピュリスト」という言葉に最も当てはまる人だが、小泉元首相や石原都知事がそうであるように、上手なポピュリスト政治家は民衆のことを突き放して観察できる冷徹さや胆力がある。正直なところ、橋下にポピュリスト政治家を求めるのは、あまりに荷が重過ぎると思う。


最後に、今まで冷ややかに見ていた「毒餃子」の問題。既に多くの人が言っているように、この問題の根本には中国云々という以前に、輸入産物が増えて食品工場が海外に移転するようになれば、厳格で統一的な衛生管理制度の敷設と維持が自ずと困難になっていくということがある。ヨーロッパみたいに大量の補助金を農家に投入して国産農産物を守るのか、あるいは輸入産品が増えれば不可避的に直面するリスクとして粛々と引き受けるのか、いずれかの態度しかないと思うのだけれど(個人的には前者)、どっちの態度もとりかねていて結果的に中国が叩かれているという構図があるように思われる。

強調しておきたいのは、これは決して「中国問題」ではないということ。つまり、中国政府に「食の安全」を求めていくための批判や抗議は当面必要だとしても、「中国がしっかりすれば解決する」という問題では全くないということである。大量の貧困層や農民層を多く抱える後発的な近代化の国から、「安いから」という理由で食品工場を移転したり食品を輸入したりすれば、多かれ少なかれ起こりうる問題であることは、一度「中国」という眼鏡を外して考えれば普通にわかる話のはずである。日本の食品衛生の水準を外国(特に中国のように発展途上国の要素を多く抱えている国)にも普通に求めることに何の疑問も持たないという、「自国中心主義者」がこんなにも多いことにあらためて驚いている。