中田英寿続き

http://d.hatena.ne.jp/caprin/20060707

とてもいいコメントを書いてくれた人がいたので、リプライを含めてもうちょっと論じてみたい。

かつて、1990年代半ばのJリーグブームは軽薄だったかもしれない。当時もサッカーブームへの反発からそう思っていたし、今から振り返れば特にそうだろう。しかし確かなことは、サッカーの選手たちは生き生きとして楽しそうだった、少なくともそう見えていたことである。そして、誰もが目立ちたがり屋で、カズを筆頭に競って派手なパフォーマンスを繰り広げていた。当時も今もサッカー音痴なのだが、カズ、ラモス、北沢、中山、福田、井原、岡野・・・・、などなど顔と名前をいつのまにか覚えてしまっている選手が多かった。ジーコを筆頭にストイコビッチリネカーなど、世界のスター選手が多くJリーグでプレーしていた。

今はどうだろうか。傍目から見て選手はクソ真面目になった。かつてよりレベルも上がったのだろう。だが楽しさや明るさがいま一つ感じられない。インタビューでも、軽い冗談一つでてこない。正直言って、苦しんでサッカーをやっているように見える。カズダンスのようなふざけた真似は、Jリーグでもできる雰囲気は今はないだろう。10年前は一野球ファンとして、明るく華やかなサッカー界が少し羨ましかった。今は、プロ野球人気も凋落しつつはあるが、そんな風には思えない。Jリーグは地元のコアなサポーターだけが観るものになり、世界の大物選手もさっぱり来なくなかった。それが悪いとは一概には言えないが、ちょっと寂しい感じはするだろう。

私はサッカーは素人なので敢えて乱暴なことを言うが、やはりかつてのカズや中山などの、「目立ってやろう」精神はやはり不可欠なのではないだろうか。これは単にそのほうが見た目に華やかで人気が出るというだけではなく、世界で勝つためにも必要なのではないだろうか。中田英寿は生真面目に実力で威圧するタイプである。彼がチームの中心になると、他の選手も一か八かの派手なプレーよりも精度の高いプレーを心がけるようになり、マスコミへの軽いリップサービスも控えるようになる。しかし、W杯を見ていると世界にはそういう「見た目」「華やかさ」も意識している雰囲気のあるスター選手が多そうである。そういうある意味で「不純」な気持ちが、ゴール前の強さにもつながっているような気がする。実際はよくわからないけど。